
第6話:物件探しの旅〜空き家情報物件見学の巻(その3 高額物件の巻)
第6話:田舎暮らしへの準備!
仙北市空き家情報物件見学(その3 高額物件の巻)
はたして田沢湖の近くに畑つきの家を見つけて、念願の田舎暮らしができるでしょうか。
次の日、市役所から連絡があり、お願いした物件の見学をすることにしました。
今日は、高額物件ということもあって、金額的には私たちには手の届く物件ではないのですが、、
今後の参考のためにと思い、気軽に見学させてもらうつもりで(遊び半分気分かも)、向かいました。
1つ目の物件は、1000万円超えといっても2000万円に近い高額物件で、この地域では最高額に入る家です。
到着したら、家主さんが外に出迎えてくれました。
立地は新幹線の駅から徒歩圏内の住宅地です。
駅から近いと言っても田舎の住宅地ですので周囲には畑も広がっていて、静かなところです。
敷地は都会の一戸建てに比べたら倍以上の広さで、別棟で車庫も建っていて、
敷地としては庭はもちろんのことチョットした家庭菜園も出来る余裕のある土地でした。

『さあ、中もご覧になって下さい。』
『はい、ではお邪魔します。』
家主さんが玄関から中へ案内してくれました。
この家主さんは、今も関東圏内に在住していて、ときどきこの家に来て別荘として使っているとのことでした。
建物を新築してから、まだ3年くらいしか経っていないこともあって、外観も中のお部屋も新築のような状態でした。
設備機器も都会的で、高そうな洗面化粧台やユニットバス、きれいなトイレ(もちろん水洗!ウォシュレット付きだし!)、
そして家具類も新品状態でした。
『いっや〜、これは今すぐにでも住める状態ですね。』
『ええ、今も私はときどき来て使ってますから、直すところはないですよ。』
『お売りになるということは、もうお使いにならなくなるのですか?』
『そうなんです。事情があって、こっちの方にはあまり来れなくなってしまったので・・・・』
確かに家主さんの言うとおり建物面も設備面もまったく直す所なく、すぐにでも住める家でした。
家庭菜園程度ならできる庭もあるし、隣近所ともそれほど近接していない静かな住環境だし、
それにもちろんトイレは水洗だし、私も妻も、提示金額の半値くらいであれば、即買い!って
感じの物件でした(問題は値段が高すぎることだけでした)。
さすがに高額物件だけのことはありますね!
私たち二人は後ろ髪を引かれる思いで、家主さんにお礼を言ってそこを立ち去り、次の物件に向かいました。

2つ目の物件は1つ目よりは安い金額ですが、やはり1000万円超えの高額物件です。
家主さんは用事があって来られないとのことで、役所の人が鍵だけ預かってきて、見学させてもらいました。
『こちらの物件は先ほどのより建物は少し古いですが、敷地は広いです。』
役所の方の説明通り、建物的には少し年数は経っている感じでした。
『なるほど、敷地は結構広いですね〜』
『裏の方に家庭菜園ができる場所もありますよ』
『ここですね〜。いや〜これは広いですね!』
全体の敷地は長方形で半分に建物が建っていて、残りの半分が家庭菜園になっていました。
それでも家一軒分の敷地になりそうな広さの立派な家庭菜園でした。
まだ、作物が植えられていて、収穫間近という感じの野菜が見られました。
『中もご覧下さい。どうぞ!』案内され建物の中に。
『先ほどより少し古い感じはしますが、中は綺麗に掃除されてますね〜』
『そうですね。普段は空家ですが、家主さんがときどき掃除に来ているみたいです。』
『へえ〜、さっきと同じで、ここもすぐにでも住めそうですね。』
台所・洗面・便所・浴室などの水周りも特に問題はなくすぐ使えそうな状態でした。
もちろん、トイレは水洗ですし、そこそこ小奇麗な洗面台や浴室でした。
『1階と2階と合わせるとかなりの広さの住宅になりますね〜』
『そうですね、先ほどの物件よりは広いですね。5LDKですかね・・・』
『ここいいわ〜こんな家に住めるといいわよね。もっと安くならないかしら・・・』
妻はかなり気に入ったらしく、つい本音が出てしまったようです。
この物件は確かに私たちの理想に限りなく近いものでしたが、
ただひとつ「価格」が高いということが最大の問題でした。
『ある程度は交渉すれば安くはなると思いますが・・・』 
役所の方が言うには、まだ交渉の余地はある価格のようでしたが・・・・
『交渉したとしても、1000万を切る金額にはならないですよね?』
『そうですね、むずかしいかもしれませんね〜』
私たち夫婦二人は「やっぱりダメだよな〜」っていう表情をして顔を見合わせて、空しくうなずき合いました。
いくら暢気で楽観的な私たち夫婦でも、この物件は手が届かないということを悟っていたようです。
『今日に物件はちょっと金額的に無理がありますが、見せて頂いて大変参考になりました。ありがとうございました。』
『いえいえ、こちらこそありがとうございました。他にも見学したいところがあったら遠慮なく言って下さい。』
役所の担当の方には本当にお世話になり、感謝です!。
『また、気になった物件があったら見学をお願いします。
それから新しい物件が出たときには連絡頂けると助かります。』
『わかりました。その時はご連絡差し上げます。』
『これからも、よろしくお願いします。』
こんな会話をしながら、役所の担当の方の車で役所の駐車場まで送って頂き、 
次にもっといい物件が見られることを願って、私たち二人は役所を後にしました。
そして、次の日に都会の自宅に車で戻ってきました。(東北自動車道を使って10時間かかりました)
・・・・・ 準備・物件探し編第7話へ続く・・・・・・ 物語連載へ
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